柴田 裕一 代表(かたびら・スペース・しばた)のインタビュー

かたびら・スペース・しばた 柴田 裕一 代表

かたびら・スペース・しばた 柴田 裕一 代表 YUICHI SHIBATA

保土ケ谷出身。保土ヶ谷小学校卒業後、関東学院中学校・高等学校(三春台)、関東学院大学を経て、日立販売会社光電家電、テイジンメンズメンズショップでの就職を経て家業の洋品業を継ぐ。2016年より「からびら・スペース・しばた」をオープン。

親から継いだ洋品店を閉じ「レンタル・スペース・しばた」をオープン

父親がこの保土ケ谷の地で、洋品店を営んでいましたので、成人する前からいずれ店を継ぐだろうと考えていました。しかし、大学を卒業してすぐ継ぐ気にはなれず、世間を知りたくて、まずは日立の販売会社に就職しました。そこで、販売のノウハウを身につけたあと、アパレルの勉強をしようと、銀座のアパレルメーカーに勤めて勉強しました。そして、父の跡を継ぎました。洋品店を営みながら、色々な方と知り合い、特に地域の飲み仲間が増えていきましたね。飲みながら「一緒に何かやろう」と意気投合し、保土ケ谷の宿場祭りを開催したり、月刊誌の発行などしたりさまざまなことをしてきました。楽しい毎日を送っていましたが、2016年より少し前に、父が亡くなってしまったんです。そして、母も亡くなってしまって……、悲しいことが続きましたが新しい生活を始めるためにも家を立て直すことにしました。新しい家では、洋品店を続けようという気持ちにはなれませんでした。「ではどうしよう?」と設計の段階で考えたとき、人と人が繋がれる場所にしようと思いつきました。人と楽しく触れ合うコミュニケーションが私のモットーなので、レンタルスペースをやることが自分にぴったりだと思ったんです。名前は住所の帷子町から取り、「かたびら・スペース・しばた」と決め、2016年にオープンしました。オープン時には、東海道を歩いている歌手の方に来ていただき「お江戸日本橋」など唄っていただきました。

お茶の先生やライブハウス経営者などスペシャリストのスタッフと組む

オープンしたばかりのときは、なかなか利用する方がいない日が続きました。ただ、何事も始めたころはうまくいきません。あまり焦らず毎日を過ごしていたところ、そろばんの先生が急に「借りたい」とおっしゃったんです。そろばん教室では、子どもからお年寄りまで生徒さんがいらっしゃいます。生徒さんが通われることで、急に活気が出て来ました。さらに、お茶の先生も借りたいと現れていただき、そこから次々と縁が広がっていきました。今では、お茶の先生である井上さんや劇作家である新岳さん、目黒でライブハウスを経営している増茂さんなどがスタッフとして加わりました。他の方々と組むことで、自分1人では浮かばなかったアイディアが次々と出てきます。「今度はこれをやってみようよ」「こういう企画はどう?」と話し合いながら、「かたびら・スペース・しばた」はどんどん盛り上がっていきました。ある会では、井上さんの知人でドラムをされている方がいるというので、ドラムを持ち込んでみんなでドラムを触ったり叩いたりする会を開こう、という話になりました。ただ叩いてみるだけでなく、ドラムの歴史を語っていただいたり、映像を流したりするのはどうか、と企画を膨らませ、ドラムの会を開催しましたね。そうやって、来る人が楽しめるような企画を、みんなで作っていくんです。私のモットーである、人と人の触れ合いは、お客さんとの触れ合い、お客さん同士の触れ合いだけでなく、スタッフとの触れ合いともなり、「かたびら・スペース・しばた」はみんなが楽しめる場所になりました。

そろばん教室やバッグ作り。ライブや会議など用途はさまざま

「からびら・スペース・しばた」では、1時間2,000円から貸し出ししております。本格的な音響機材もありますし、キッチンも揃えていますので、そろばん教室やバッグ作り、ライブや会議、フラワーアレンジメント、映画鑑賞などさまざまな用途で使用することができます。入り口を入ってすぐにキッチンとその奥にはレンタルスペースがあり、レンタルスペースとキッチンが繋がっています。ですので、軽い食事やお酒、お茶を楽しみながら、お客さんと盛り上がることができるのです。やはり、食事があるとおしゃべりにも一層話が咲きますよね。このあいだも、塗り絵をしながら、日本茶を飲むという会がありました。みなさん、とても楽しそうでしたね。楽しい時間を過ごすと、時間が経つのもあっという間です。来ていただくお客さんは、常連の方だけでなく、新しい方もよくいらしてくれます。年代層も、若い方からお年寄りまで、その会によってさまざまです。最近は、Facebookを見ていらしていただくことも多いですね。「面白そうだな」と少しでも思っていただけたら、足を運んでいただけると嬉しいです。ここで知り合ってお友達を作られた方もたくさんいらっしゃいますよ。

今後はマルシェもやってみたい。さらなる進化を

最近は、ありがたいことに数ヶ月先まで予約が入っています。ですので、新しく借りたいと思う人も借りられるように、何か工夫をしなくてはと考えています。これまで、さまざまなことをやってきましたが、今後も新しい人と出会ったり、色々な企画を友人たちと出し合いながら、「かたびら・スペース・しばた」をさらに進化させていきたいですね。個人的には、マルシェをやってみたいとも考えています。進化をしていきながら、これまで続けてきた会も大事にしていきたいです。人気の会の一つに落語がありまして、すでに70回以上開催されています。落語をされている方は本業は絵本作家で、お話を作るのはプロですが、落語の腕前もプロ並なんです。落語はとても人気で、コロナ禍であってもお客さんが途絶えません。長く続いている会は当店の歴史にもなります。これからも大事にしていきたいですね。

今後も保土ケ谷の町おこしの担い手でありたい

これまでも保土ケ谷商店街の会長をやったり、「ほどがや 人・まち・文化振興会」の役員をやったりと、保土ケ谷の町おこしを行なってきました。今後も色んな人と知り合いながら、町おこしをしていきたいと思っています。たくさんの方に「かたびら・スペース・しばた」を拠点にしていただいて、使っていただきたいですね。みなさんのご活躍や素敵な時間に力添えをしたいと思っています。私自身ももっと勉強をして、「かたびら・スペース・しばた」とともに頑張っていきたいと思います。

 

※上記記事は2022年11月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

かたびら・スペース・しばた 柴田 裕一 代表

かたびら・スペース・しばた柴田 裕一 代表 YUICHI SHIBATA

かたびら・スペース・しばた 柴田 裕一 代表 YUICHI SHIBATA

  • 出身地: 横浜市保土ケ谷区
  • 趣味・特技: 演劇や映像関係
  • 好きな本: ファッション雑誌
  • 好きな映画: トップガン、007
  • 好きな言葉: 人と人との触れ合い
  • 好きな音楽: フォークソング、ビートルズ
  • 好きな場所: 神社や山、オシャレな街

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