水口 浩司院長(水口歯科医院)のインタビュー

水口歯科医院 水口 浩司院長

水口歯科医院 水口 浩司院長 HIROSHI MIZUGUCHI

東京歯科大学卒業後、同大学水道橋病院に入局。一般歯科や口腔外科など幅広い診療に携わり、顎関節治療の第一人者に教えを請う。2008年、保土ヶ谷駅近くに代々続く水口歯科医院の三代目院長に就任。お口の中から全身を診る歯科治療を、そして顎関節症に特化した診療で身体不調の改善を目指す。

地域で長く愛される歯科医院の三代目院長に

水口歯科医院は、保土ヶ谷で一番歴史の長い歯科医院で、祖母、父に続き、私は2008年に三代目の院長に就任しました。祖母が開院した当時は、女性の歯科医師は大変珍しい時代でしたが、幼少期から歯科医師として仕事をする祖母を見て育ったので、私にとっては日常の風景であり、ごく自然に悩むことなく歯科医師の道を目指しました。東京歯科大学卒業後は同大学水道橋病院に入局し、2年間は一般歯科をはじめ口腔外科など幅広い診療経験を積みました。その後、顎関節症が全身に引き起こす肩こりや自律神経のバランスなどの症状に興味を持ち、つづき歯科で顎関節症治療を専門的に学びました。お口の中から全身を診ていきたいという気持ちが私の今の診療ポリシーになっています。

一般歯科診療をはじめ、口腔がん検診や訪問診療にも対応

当院では小児歯科、審美歯科、顎関節治療、インプラント、訪問診療をおこなっています。三代続く歯科医院ですから、長くお付き合いのあるご高齢の方も多い一方で、近隣2か所の園医も務めていますので、お子様の治療がきっかけとなってご家族でご利用いただくことも多いですね。ご高齢の方は歯周病や義歯でお越しになる方が多く、お子様は虫歯や歯肉炎が減少傾向にあるので、予防を中心とした診療をメインに。それぞれの年代のお口の悩みに幅広く対応しています。
顎関節症の治療でお越しになる患者さんは口コミや紹介の方がほとんどで、多くの方にご利用いただいていることがとても有難いです。また、一般歯科の診療以外に、口腔がん検診協力医として専門医と共に訓練を積み、保土ヶ谷区の口腔がん無料検診をおこなっています。口腔がんは、いつもお口の中を診ている歯科医師だから見つけられるというわけではなく、がんの知識や経験が必要です。早期発見・早期治療のために、歯科医院に定期的に通っているという方にも、市や区でおこなっている検診を受けていただきたいと思います。
訪問診療では、寝たきりの方だけでなく在宅での歯科治療を希望される方へ、お昼休みや夜の時間に月10件程伺っています。ケアマネージャーさんから紹介をいただくことが多く、年々歯科の訪問診療に対する需要は高まっているように感じます。お口のケア、義歯の治療を中心に、患者さん本人への咀嚼の訓練だけでなく、ご家族の方へ、歯ブラシの仕方や食べさせ方、食べる時の姿勢などの指導にも力を入れています。全身に様々な疾患を抱えて寝たきりになってしまうと、真っ先に口腔内の環境が悪化します。病気だけでなく、加齢とともにお口の中の感覚が鈍くなり、味覚も落ちますので、患者さんにとって食べやすく、喉越しのよいレシピを開発してご家族の方へお伝えしています。

食いしばりや噛みしめが引き起こす顎関節症の治療と予防

これまで顎関節症の治療を専門におこなってきましたので、噛み合わせの治療で来られる患者さんも大変多くいらっしゃいます。人の身体は様々な状況で無意識に力が入りやすく、食いしばりや噛みしめが原因となり顎関節症に発展します。古くは外敵から身を守るため、臨戦態勢に入るための本能ですが、力が入り過ぎたり、強過ぎると筋肉が疲労し、こりがひどくなり、頭痛、耳鳴り、手の痺れなどの症状が現れるのです。マウスピースによる治療が一般的ですが、実はマウスピースだけでは根本的に治すことはできません。当院の治療ではマウスピースはあくまでも補助として使い、まずは、患者さんご自身が食いしばりや噛みしめがないか意識していただき、簡単にできる肩を回すストレッチや舌の体操などで積極的に筋肉のこりをほぐします。顎のつくりや噛み合わせは子供の頃からの習慣や遺伝性によるものが強く、それを悪化させるのが普段の生活習慣です。例えば「寝る時の姿勢」「いつも同じ方向を向いている」「常にディスプレイを見て噛みしめている」など。これらの生活習慣を改善していくために患者さんの頑張りも必要になります。多くの方は30代を過ぎると身体に不調が出てきますが、歳を重ねると治りづらいので、そうならないためにも子どもの時からの予防が大切です。お一人おひとりのお口の状態にあった治療方法を提案していますので、安心してご相談いただきたいです。

生活環境や食育を見直すことで、お口も身体も健康に

歯科医師として患者さんのお口の状況を診るのは当たり前のことですが、特に全身との関わりを診る診療に重きをおいています。病態やストレスを含めて、どのような家庭環境で、どんなことが好きなのか、どのような経歴をもお持ちで今に至っているのかなど、詳しくお伺いしています。診察時間を長くいただいているので、カルテが辞書のように分厚くなりますが(笑)。お口の状態は生活環境に左右されますので、どんなに丁寧に歯の治療をしても、生活環境を改善しないとすぐに再発してしまいます。お口の環境を悪化させないためにも、生活環境の見直しは永遠の課題と言えるでしょう。
また、お子様の食育も力を入れていることの1つです。食育は、生まれてから亡くなるまで生涯を通じて健康を保つためにも、虫歯の管理以上に大事なことで、バランスのよい食生活ができていないと成人以降、壮年期に影響が現れます。そのため、お子様が健やかに育つために必要な食事指導もおこなっています。今後も地域の保育園の先生方とも連携をとり、お子様の健康状態を見守っていきたいと思います。

これから受診される患者さんへ

歯科は内臓疾患や様々な病気に関わってきます。当院は医師会や地域の拠点病院と強い連携をとっているので、他科(医科)の医院で治療中であって、歯科疾患が関わっていると疑われる場合はお気軽にご利用ください。

※上記記事は2019年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

水口歯科医院 水口 浩司院長

水口歯科医院水口 浩司院長 HIROSHI MIZUGUCHI

水口歯科医院 水口 浩司院長 HIROSHI MIZUGUCHI

  • 出身地: 神奈川
  • 趣味・特技: テニス
  • 好きな本・作家: 吉川英治
  • 好きな言葉: 信頼
  • 好きな音楽・アーティスト: ソウルミュージック・スティーヴィー ワンダー
  • 好きな場所・観光地: 鹿児島

INFORMATION