竹本 伸夫 シェフ（HAMBURGER&DINER 01GRILLS（ハンバーガー＆ダイナー オーワングリル）)のインタビュー

料理好きが高じて料理人の道に

母親の手伝いをしていたこともあって、子供の頃から料理が好きでした。だからと言って最初から料理人を目指していたわけではなく、定まったのは確か、進路を具体的に考えるようになった高校2年生の頃のこと。彼女と記念日にレストランに行きたいと思ったものの、当時は手頃なお値段でそれなりにしっかりしたレストランがなかなか見当たらなかったんですね。料理は好きでしたし、「だったら自分で作ろう」と思ったわけです（笑）。
専門学校卒業後は恵比寿のウェスティンホテル東京に勤務。フレンチをベースに修業を始め、30歳を超えてから和洋ダイニングのお店で和食も経験し、2017年に現在の『HAMBURGER&DINER 01GRILLS』でメインシェフとしてお店を切り盛りするようになりました。『01GRILLS』は当初、ハンバーガーとカレーのお店でスタートしたのです。それが今回の新型コロナウイルスの流行でイートインされる方が徐々に減ってきた現状を考え、ハンバーガーをメインにテイクアウトデリバリーを強化して今の形になりました。すぐそばの松原商店街で買い物を済ませた地元の方や、週末は観光客の方など、幅広い層の方にご利用いただいています。

まるでステーキを食べてるようなハンバーガー

ハンバーガーはバンズも野菜も大事ですが、やはり真ん中に挟むパテが重要です。当店ではアメリカンビーフの中でも8%ほどしかない、稀少なプライムビーフのみを使用しています。ただ、このお肉をそのままひき肉にすると繊維がつぶれてしまい、肉汁が外に出てしまいます。そこでこちらではハンドチョップして角切りにして用いています。包丁でスパッと切れば繊維がつぶれることはありませんから、旨味が外に逃げにくくなるんですね。ありがたいことに「お肉を食べてる感がハンパじゃない」「ステーキを食べてるみたい」といった嬉しい感想をいただいています。
さて、メインのお肉が美味しくても、例えばごはんがそれなりだと、定食としては成り立ちません。ハンバーガーでごはんの役割を担うのがバンズで、当店ではフルオーダーメイドのブリオッシュ生地のパンを使っています。ハンバーガーを持ち帰ると、べちょっとした部分があったりしませんか？ このパンを使うと肉汁を吸ってもつぶれることはありませんし、しっかりしたバンズの味がお肉の味をさらに引き立ててくれます。そして野菜。定食で考えると、主菜があって、おいしいご飯があっても、副菜が美味しくないと物足りませんよね。その役割を担うのが、近くの松原商店街で購入している新鮮な野菜です。肉々しいパテとしっかりしたバンズ。その2つをうまくつないでくれるのが、トマトやレタスです。『HAMBURGER&DINER 01GRILLS』では、バランスを重視し、ハンバーガーとしての質を最大限追求しています。

バラエティーに富んだお肉のテイクアウトメニュー

テイクアウトメニューとして、プライムビーフのステーキも販売しています。平日のお昼については、ハンバーガーとステーキが今や二枚看板になっています。最近ではそこに、ご飯ものを随時ラインナップに揃えています。「他で食べられないものがいい」ということで、プライムビーフを使ったタタキや、ローストビーフも人気を集めています。形や味に工夫を加え、お肉の美味しさを全面に出したメニューをどうぞお楽しみに。

お酒も野菜も地産地消を大切に

夜については、お酒を楽しみに来店される方も多くいらっしゃいます。『HAMBURGER&DINER 01GRILLS』の一号店は、横浜西口にある『California Diner PLAYER’S』です。当店のグランドメニューもそちらに倣い、アメリカンなものが多いのですが、日替わりで和食や中華等のバラエティに富んだおつまみを用意しています。
また、和洋問わず様々なお酒を揃えていますが、日本酒については地元神奈川のお酒も豊富に取り揃えています。意外かもしれませんが、丹沢のあたりには素晴らしいお酒がたくさんあります。野菜もそうですが、当店では地産地消にこだわっています。単純に鮮度のこともありますが、地元でしか味わえないものを知っていただきたいという想いがあります。地方活性化というと大げさですが、少しでも貢献できたらと思っています。

地域のみなさんへメッセージ

お客様との程よい距離の近さが当店の特色の1つです。私たち自身が楽しめていれば、それはお客様にも伝わりますし、みんなで楽しめるお店になると思うんですね。一杯飲みたい人も、ご家族を連れてのご来店も、あらゆるお客様を歓迎いたします。「おいしいものを食べたいな」と思った時に思い出していただけるお店を目指していきます。どうぞどなた様もお気軽にお越しください。

※上記記事は2022年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。