笹原 嘉代 主宰（Malulani Kayo Hula Studio（マルラニ カヨ フラスタジオ）)のインタビュー

中学時代の友人に勧められ、たちまち夢中に

20代で結婚し、主婦業の傍ら、派遣社員などをして働いていました。フラを始めたのは、中学校時代のハンドボール部のチームメイトに勧められたのがきっかけです。そうしたら、たちまちフラの魅力にとりつかれ、ハマっちゃったんです。当初の目的のダイエットは私にはあまり効果はなかったですけどね（笑）。ハンドボールは中高大と続けてきてました。インターハイや国体の経験も。同じ体を動かすと言っても、ハードなハンドボールから、ソフトなフラに大転換でしたが、2009年にクウマイカフラコンペティション日本大会で優勝し、ハワイ・マウイ島であった世界大会のカヒコ（古典）部門で2位、アウアナ（現代）部門で3位に入賞しました。全日本フラ選手権で2位、世界的なキングカメハメハフラコンペティション日本大会で3位になったこともあるんです。保土ケ谷とあざみ野（横浜市）の教室でインストラクターを10年以上務め、もともと自宅だったビルの3階に自分の教室を開きました。

「神に守られた」スタジオ

「Maluani（マルラニ）」はハワイ語で「神に守られた」という意味なんです。「いい言葉だなあ」と気に入って、教室名にしました。保土ケ谷スタジオが「本部クラス」で、3歳から50代の女性ら20人以上の生徒さんが通われています。ほかにも、海老名と二子新地に教室があります。海老名クラスはイオンの主催するカルチャークラブ内で。二子新地クラスはレンタルスタジオを借りて、レッスンしています。皆さん、月に2～4回のペースで練習に励んでいます。当スタジオは少人数制が特徴で、1クラスはマンツーマンから、多くても5人にとどめています。少人数だと、生徒さんそれぞれの動きに目が届き、コミュニケーションも十分取れる利点がありますね。

「フラの楽しさ」を知っていただく

指導のポイントは、何と言っても「フラの楽しさ」を知っていただくこと。そのために、お一人おひとりに合うアドバイスを心掛けています。生徒さんは年齢も違うし、キャリアも異なります。リズム感も人それぞれでしょう。レッスンは、ストレッチを念入りに行い、体を十分にほぐしてから。すぐに踊り全体の動きに進まず、「ハンドモーション」と呼ばれる手の動き、それと足のステップを、パーツごとにマスターしていきます。曲（振り付き）の練習も1段階ステップアップしたら、前のレッスンで覚えたことをおさらいし、また新しい動きを一つ覚えるというように、段階を踏んで少しずつマスターしていきます。フラは中腰の状態で踊るんです。表面的には優雅な舞いに見えますが、下半身の筋力を結構使うんですね。ひざや腰に不安のある高齢の生徒さんなら、無理に中腰を求めたりしませんし、体にも時間にも負担の掛からないご自身のスタイルで、フラを楽しんでいただけたらいいんです。「マイペースで無理なく」これが、フラに楽しんで取り組め、長続きできる秘訣でしょう。

曲の世界観や背景を受け止めて表現する

フラは音楽（曲）の意味を、体全体を使い表現する踊りです。ですから、全ての動きに意味があるんですね。ハンドモーションで作る「花」や「風」が代表例です。曲の成り立ちや背景を受け止め、自分の中で消化し、表現も含めて踊ります。フラの音楽と日本の盆踊りは同じ4拍子なのですが、フラのリズムの強弱が「イチ、ニ、サン、シ」と全てフラットなのに対し、盆踊りは「イチ」のリズムが強いんですよ。日本人には盆踊りのDNAが受け継がれているせいなのか、リズムのとり方が体操ぽくなってしまう方が多いんですね。フラの基本は、リズムと呼吸に解け込ませるように、柔らかく、滑らかに、ゆったりと踊ること。フラは頭から足のつま先まで、全神経を集中させなければなりません。見た目はゆったりとしてますが、ダンサーは神経を研ぎすまして踊っているんです。フラは体幹や骨盤の矯正にも効果があり、脳トレにも。健康づくりにも役立つんですよ。気持ちをリフレッシュさせ、デトックス効果もあるますので、トライしてはいかがでしょうか。

フラが人生を変えてくれた

今年は、各地のフラ関係のイベントに積極的に出て、踊りを広く披露しています。7月以降に限っても、銀座や川崎で開かれるイベントをはじめ、9/19（祝）には横浜ワールドポーターズハワイアンタウンステージにも出演する予定です。イベントの参加を通じ、フラを初めて見る方たちに、フラの魅力を伝えたいです。私はフラを初めて、かれこれ20年。フラに出合って人生が変わり、大きな「幸福」を得ました。フラの楽しさを紹介し、私がフラから「頂いたもの」を、今度は皆さんにおすそ分けしたい。フラの普及に励み、フラに恩返ししたいと思っています。教室の扉を開ければ、そこは常夏の島。ゆったりした南国の空気を感じ、「非日常」を楽しみましょう。

※上記記事は2022年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。