林 沙也加 マネージャー（（株）いわきや)のインタビュー

着物に関する仕事がしたいと呉服店に

祖母が三味線をやっていた関係で、昔から着物に興味があったんです。和裁の学校に通っていたこともあり、着物に関する仕事がしたいなと。当初はやっぱり珍しがられましたね。和裁の学校と言ってもなかなか説明するのが難しくて。「いわきや」に勤め始めてからは、もう10年以上。好きなものに囲まれているので、やりがいもありますし、天職だなと思っています。

地域密着型の老舗呉服店

「いわきや」は、1897（明治30）年創業。2023年で創業125年を迎えた地域密着型の老舗呉服店です。振り袖、一般呉服といわれる訪問着を基本に、最近は芸能人への衣装提供なども行っています。振り袖は購入、レンタル、ともにご用意していますが、在庫も含めて1000着以上。品ぞろえの豊富さも当店の強みです。やっぱり成人式でのご利用が多いですが、振り袖以外ですと七五三、お宮参り、結婚式のお呼ばれなどでいらっしゃる方が増えています。

お客さまに似合う1着を

成人式の振袖はパンフレットで選んでいただくことが多いかと思いますが、当店は実際に試着していただきながら、お客さまのご希望にとことんお付き合いする、というスタイルで対応させていただいています。品揃えが豊富だからこそできることだとは思いますが、色やデザイン、迷ったときには何着も試着していただきながら、その方の個性を探り、一番お似合いになるものをアドバイスさせていただいています。振り袖の選び方って、普段お洋服を選ぶときとは全く違うんです。今、パーソナルカラー診断が流行っているので「私はイエベだからオレンジ、黄色がいい」とおっしゃるお客さまもいますが、振り袖は帯を当てたりすると色が混ざってくるので、パーソナルカラーの似合う色とは異なることが多いんです。色やデザインをきっちり決めていなくても、なんとなく「かわいい系」「クール系」といったニュアンスをおっしゃっていただくだけでも大丈夫です。お嬢さまのご希望を中心に、お母さまやおばあさまのご意見もお聞きしながら、ご提案するようにしています。お嬢さまだけでなく、ご家族皆さまの記念になる日のお召し物ですので、皆さんに喜んでいただけることを念頭に、選択肢を増やすようなアドバイスを心がけています。
また、推しコーデといって、好きなアーティストなどのイメージカラーなどでまとめてみるのもおすすめです。気分がアガりますし、20歳のときに好きだったものをコーディネートに取り入れることで、より記念になるのかなと。成人式はやっぱり楽しい思い出にしていただきたいですから。そのお手伝いができたらうれしいです。

呉服店ならではの手厚いサービス

長年、天王町で営業していますので、お母さまのお着物を娘さんの成人式に、という方も多くいらっしゃいます。そういったことも含めて、お着物のことなら何でもご相談いただきたいです。「結婚式の着物は何を着たらいいですか」とご来店になる方もいらっしゃいますし、小学校の入学式や卒業式でのお子さまが袴をお召しになることも増えています。どれも実際に試着していただき、サイズ合わせなどもしっかりと行いますので、ネットや貸衣装屋さんにはない手厚いサービスを今後も幅広く提供させていただきたいと思っています。成人式で興味を持って訪問着を着てみたいという方、家に着物があるけど着方が分からないという方に向けての着付け教室や着物でのお出掛け企画も開催しています。

着物のことなら何でもご相談を！

今後も、ふとしたときに「いわきや」ってあったなと思い出していただき、気兼ねなくご相談に来ていただけるよう安心安全なサービスをご提供していきたいです。最近は、日本中央競馬会(JRA)さんともお付き合いをさせていただいており、先日も今村聖奈選手にお着物をご提供しました。そういった部分でも、着物の良さを広めていきたいと思っています。また、写真を織物にするサービスも承っています。西陣細密綴織(にしじん さいみつつづれおり)で織り出されたものですが、絵画のような美しさが特徴です。着物を購入された方が家族写真やペットの写真でオーダーされることもあり、また違った形で思い出を作っていただけるのかなと思っています。節目で着ることの多い着物ですが、どんなご用件でも着物のことなら何でもお答えしたいと考えておりますので、お気軽にご来店ください。

※上記記事は2023年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。