小塚 充 オーナー（韓国料理ダイニング ヤンニョム天王町)のインタビュー

天王町をさらに盛り上げるべく、3人の店主が力を合わせて

『ヤンニョム天王町』は私を含め、天王町で飲食店を営む3人が立ち上げました。1人は『いっすんぼうし』、もう1人が『虎竜』、そして私の『JOGO』です。この3人が揃えば、天王町を盛り上げる新しい何かができるんじゃないかと思ったんですね。そんな中、この場所を得ることができ、「さて、何をすべきか」と考えた結果、これまで天王町になかったもの、新しいカルチャーを生み出せるものとして、韓国料理がベストなんじゃないかという結論にいたったのです。

これまでそれぞれが四苦八苦しながら、自分のお店を切り盛りしていく中で、様々な業者さんや仲間を得ることができました。お店の内装も、仲間やお客様に手がけてもらったんですね。そのぶん、料理に力を入れられましたから、本場の韓国に負けず劣らずの美味しいお料理を提供する準備を整えられました。

本場韓国のトレンドを天王町で

メインはサムギョプサル。さらに、イイダコを使ったチュクミ鍋です。それぞれ単独で楽しめますし、チュクミとサムギョプサルを合わせたり、チュクミとコプチャン（マル腸）を合わせて召し上がっていただくこともできます。これをお席で火にかけ、その場でカットしてお客様に提供していくのです。

サムギョプサルにチュクミに加え、新たなレギュラーメニューとなったのが、ワタリガニを使ったカンジャンケジャンです。韓国の沿岸には普通にワタリガニがいるそうですが、日本だとおそらくズワイガニを捕まえる方が簡単でしょうね（笑）。商品として提供するには“数”が必要で、生ものだけに苦労したのですが、幸い、安定して納めてくれる業者さんが見つかり、現在は1日限定5食でお出ししています。お酒もしかりですけども、様々な展示会などに足を運び、韓国のトレンドをいち早く取り入れる体制を整えることができました。これも今まで培ってきた人と人のつながりがあってできたことと思っています。

「辛いより美味いが先だ！」がモットー

天王町の特徴は、ファミリー層が非常に多いということです。そのため、当店でもキッズスペースを設けました。大人が子供から手を離して飲食を楽しめるお店が天王町には多いですから、そのためのスペースは絶対に必要と考えたんですね。ファミリーに目を向ければ、お子さんが食べられる料理でなければ意味がありません。つまり、「辛い」より、「美味しい」が先にこないといけない。韓国料理屋でありながら、当店では激辛の料理はほとんどありません。辛さはあとで加えられますし、まず何より「美味しい」を優先したのです。本場である韓国とは味の傾向は違う面もありますが、幸い、当店に訪れている韓国人の方にも「これはこれで別の美味さがある」と好評いただいています。

思いやりを持ってのおもてなし

細やかなサービスは当然おこなうべきことですけども、それ以前に、「人を喜ばせること」という心を大前提として持っていなくてはなりません。飲食店をはじめとするサービス業は、人を喜ばせて初めて商売として成立すると考えています。人を喜ばせると書いて「人喜（にんき）」。それを進めることで、やがて「人の気（人気）」が集まってくると考えています。人がやることですから、完璧なことはありませんし、時にお客様にご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、大事なのは、それをそのままにして終わらせないこと。自分であればどうされたいか。常に思いやりを持ってのおもてなしができればと思っています。

このスローガンは、お店を始めた3人のオーナーの総意です。始める時には、「共同経営は難しい」と周囲から言われましたが、3人いれば進むスピードも3倍になります。そもそも、3人いなければこの短期間でオープンにこぎつけることはできなかったでしょう。「ヤンニョム」とは、あちらの言葉で「合わせ調味料」のこと。3人が、そしてスタッフが力を合わせ、すべてのお客様にご満足していただけるお時間を提供していきたいと思っています。

地域のみなさんへメッセージ

40席あり、お部屋も2つに分かれていますので、人数に合わせての貸し切りもおこなっています。お電話はもちろん、インスタのDMでもご予約を承っていますので、お気軽にご相談ください。

今までの天王町になかったお店だからこそできることで、地域に恩返しをしていければと思っています。まずはこのお店を知っていただき、様々なご意見をお聞かせください。地域の、みなさんの意見を柔軟に取り入れ、あらゆる人が楽しめるお店を目標に頑張っていきます。

※上記記事は2024年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。