山本 達郎 院長（山本歯科医院)のインタビュー

名人と呼ばれる先生方のもと補綴を専門に経験を積む

本当は医師になりたい気持ちがあったものの、家族に金銭的な負担をかけたくないという気持ちから国立大学（東京医科歯科大学）の歯学部に進学しました。自分で言うのもなんですが、もともと手先が器用なところがあったものですから（笑）、いま思えば歯科の道を選んでよかったと思っています。
大学卒業後は母校の大学に籍を置き、補綴（ほてつ）治療を専門に研鑽を積みました。補綴とは、歯を失ったところを「補う」ための治療です。入れ歯であったり、クラウン（冠）であったり、ブリッジであったり……。私が大学にいた当時の医局には「名人」と呼ばれるような先生方がたくさんいらして、素晴らしい治療技術に触れた経験は大きな財産になっています。

充実の設備を整え、よりよい医療を提供する

母校の大学で3年にわたり経験を積み『山本歯科医院』を開いたのは1989年でしたから、診療を続けて30年以上になるでしょうか。よりよい医療をご提供できるよう2014年には設備をリニューアルし、みなさまに快適にご利用いただける環境を整えました。院内を段差のないバリアフリー仕様にしたり、患者さんのプライバシーに配慮して診察室を半個室タイプにしたり。リラックスして治療を受けていただけるように工夫しておりますので、デリケートなお悩みも安心してお話ください。
一方で、医療設備については新たに歯科用CTを導入し、より精度の高い治療につなげています。歯科用CTはインプラント治療に欠かせない機材であるのと同時に、精密な技術が求められる根管（歯の根っこの部分）治療を行う際にも非常に役立ちます。歯科用CTで撮影した画像は各ユニットに備え付けたモニターに映し出して、お口の中の状態や治療内容をご説明するときにも活用しています。

補綴治療とホワイトニングを中心に幅広いニーズに対応

大学で補綴学を専門にしていましたので、自分の専門分野を問われれば義歯（入れ歯）・インプラント・ブリッジということになるでしょうか。治療にはそれぞれにメリットやリスクがありますが、私は治療期間や費用などを含めてすべてを包み隠さずお伝えするようにしています。決して嘘をつかず、治療を強制することなく、ゴールへと続くあらゆるルートをご提示するといったイメージです。最終的にどの治療を選ぶのかは、主役である患者さんがお決めになること。私は正しいメッセージを正しくお伝えして、それぞれの患者さんが納得して治療を受けられるようにサポートしたいと思っています。
そしてもう一つ、私の専門分野といえるのがホワイトニングです。こちらについてはホワイトニングの権威である先生に師事し、理論や技術を直接レクチャーしていただきました。施術方法があいまいだったころからスタートし、今では私なりのメソッド（トータル・ホワイトニング）を確立することができました。最近は女性だけでなく男性のニーズも高まりつつあるホワイトニングですが、当院ではより早く・体への負担が少ない施術を実践しておりますのでご相談ください。

お口の健康を全身の健康につなげるお手伝いを

診療をはじめて30年以上にもなると、長いお付き合いの患者さんも多くなりました。長く治療を担当させていただくからこそ分かるのは、人間の口の中は時間とともに変化していく……ということです。10年、20年と時間が経過するにつれて嚙み合わせは大きく変化し、歯がすり減ったり傾いてきたりするのです。同じ患者さんでもまるで別人のようなお口になってしまう……そのことを知っているからこそ、私は日々の診療を通して「20年長持ちする歯」をご提供したいと思い、今も自己研鑽に努めています。
来院される患者さんの年齢はさまざまですが、先日は100歳になる元気なおじいちゃまがお越しになりました（笑）。幸い同じ建物の中には内科や皮膚科、耳鼻咽喉科などのクリニックが集まっており、必要な場合には医科のドクターと連携して治療にあたることも可能です。そういえば以前、口内炎を訴えて来院された患者さんを内科へご案内したことがあったのですが、しばらくして「命拾いをしました」と感謝していただいたことがありました。どうも様子がおかしかったものですから内科の先生に検査をお願いしたところ、急性白血病が見つかったというのです。私の専門はお口の中の治療ではありますが、診療を通して患者さんの健康に貢献できているならこれほど嬉しいことはありません。

地域の皆様へメッセージ

患者さんに対して決して嘘をつかないこと、患者さんにメリットをもたらすことは積極的にお伝えすること。これは歯科医師として私が日々心に留めていることです。開院からこれまでたくさんの患者さんとお付き合いさせていただく一方、母校の大学では後進の指導にも力を注いできました。これからも地域医療の充実、歯科医療の発展のために尽力していきたいと思います。

※上記記事は2022年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。