横山 宏 院長（横山歯科医院)のインタビュー

開業から40年あまり、地域に根差した診療を続ける

小さなころから細かい作業が好きで、手先を使うことを得意としていました。そんな様子を見ていた父から「歯科に向いているのではないか？」と言われ、そのまま今に至る……というのが正直なところです（笑）。内科医だった父の医院は兄が引継ぎ、私はこうして歯科医師になりました。
開業医だった父の姿を見て育ちましたので、私にも「いずれは開業したい」という気持ちがありました。そのため、大学卒業後はすぐに現場に出て経験を積み、1982年に『横山歯科医院』を開設しました。当初は実家があった場所で診療していたのですが、2002年にこちらに移転してきたのです。振り返るともう40年にわたりこの地域の医療に携わっていることになりますね。

愛着ある地域のため、外来診療に加えて訪問診療にも対応

来院される患者さんは小さなお子さんやご高齢の方などさまざまですが、やはり診療の中心はご高齢の方になるでしょうか。私はもともと手先が器用なところがあり、さらに歯科医師になってから数多くの症例を経験したことで、義歯（入れ歯）治療は得意とする分野の一つです。また、年齢を重ねて当院までお越しになるのが難しくなった患者さんについては訪問診療にも対応しています。
最近は糖尿病をはじめとした全身疾患と歯周病との関係が明らかになり、歯科医師会としても医科と連携して診療にあたることが増えてきました。また、往診を手掛ける兄からの依頼で、在宅にて患者さんを拝見することも多くなりました。この地域は私が生まれ育った場所でもありますので、地域に暮らす患者さんを地域の中で支えていくという気持ちで日々の診療にあたっています。

患者さん一人ひとりの10年後、20年後を見据えた治療を

診察の際には患者さんのお口の状態を確認し、患者さんのご希望を伺いながら、お一人おひとりに適した治療をご提供したいと思っています。たとえば抜歯が必要な状態であっても、患者さんがそれを望まないならばいったん抜歯は見送ります。こちらの意見を無理に押し付けず、その後の経過を見守りながら適切な時期に介入する……という感じでしょうか。
また治療に際してはいくつかの選択肢をご提案し、その中から患者さんご自身に治療方法を選んでいただくというのが基本的なスタイルです。複数ある選択肢それぞれの費用やメリット、想定されるリスクなどを丁寧にご説明し、患者さんの理解と納得のもとに治療を進めたいと考えています。今のことだけでなく10年後、20年後までを見据えて、その方にとって一番いい治療をしてさしあげていと思っています。

日々のケアと定期的なメンテナンスで、お口の健康を守ってほしい

開業から40年にもなりますと、初めてお会いしたときはまだ小さかったお子さんがママさんやパパさんになり、ご自分のお子さんを連れてお見えになることも少なくありません。私は近隣の小学校の校医や園医を務めておりますけれど、ひと昔前に比べるとむし歯だらけで大変……といったお子さんを診ることはほとんどなくなりました。この背景には歯科に対する意識の高まりや、保護者の方々のサポートがあるのではないでしょうか。
お口の健康を守るためにはご自宅での日常的なケアに加え、歯科医院での定期的なメンテナンスを心がけていただくことが大切です。毎日の歯磨きを頑張っていただくと同時に、時々は歯科医院に足を運ぶことを習慣にして、早期発見・早期治療につなげていただきたいと思います。

地域のみなさまへメッセージ

当院は開業から40年あまり、地域に根差した診療を続けてきました。長いお付き合いになる患者さんでは、お電話をいただいただけでお困りのことを想像できるほど（笑）。これまでの治療歴や想定されるリスクなどについて、だいたいのことは頭の中に入っているのです。これからも患者さんとの信頼関係を大切に、患者さんのご要望にお応えできるような診療をしていきたいと思います。何かお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

※上記記事は2022年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。