藤井 敏 院長(上星川動物病院)のインタビュー

上星川動物病院 藤井 敏 院長

上星川動物病院 藤井 敏 院長 SATOSHI FUJII

日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)卒業後、横浜市の動物病院で幅広い診療をおこなう。阪神淡路大震災の際には、横浜市獣医師会からボランティアとして出向き、犬猫の世話や診療に携わる。神戸市内の動物病院での診療を経て、1996年、上星川駅、和田町駅近くに上星川動物病院を開院。

一般診療だけでなく、ボランティアの経験を経て開院

小学生の頃に文鳥や十四松、ハムスターを飼っており、中学校1年生の時には獣医師になることを決意しました。日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)卒業後は横浜市の動物病院で幅広い診療をおこない、1995年の阪神淡路大震災の際には、横浜市獣医師会から第一陣のボランティアとして出向。神戸市の六甲山近くの動物愛護センターで大学生ボランティアの方々と一緒に、震災で保護された200頭あまりの犬猫のお世話やお散歩、現地獣医師の助手として体調が優れない犬猫の診療など、延べ20日間従事し、とても貴重な経験をしました。神戸市内の動物病院で大変お世話になり、1996年、上星川動物病院を開院しました。一緒に動物病院を切り盛りしている妻も私も横浜出身で、ご縁あって上星川駅と和田町駅のどちらからも通いやすいこの地で開業となりました。間もなく25年目を迎えます。

獣医師の妻と二人三脚で得意分野を活かした診療を

当院では犬猫を中心に、内科や外科の一般診療、ワクチン(狂犬病ワクチン・混合ワクチン)、フィラリア、ノミ・ダニ、消化管内寄生虫などの予防、各種血液検査、レントゲン・超音波検査による画像診断、心電図検査、各種皮膚科検査、尿検査、糞便検査などの各種検査、健康診断、不妊手術をおこなっています。犬猫に多く見受けられる症状として、夏はアレルギー性の皮膚病、冬は消化器系や泌尿器系の疾患が挙げられます。小動物は、うさぎ、リス、ハムスター、フェレットに対応しています。
基本的なことではありますが、診療では聴診や触診などの具体的な診察に入る前に、来院した動物を全体的にパッと俯瞰をする「望診」をおこなっています。待合室から診察室に入ってくる時の歩き方や姿勢を見ることで、どこに異常があるのか見て分かることもあります。私は軟部外科、アレルギー科、眼科の疾患を得意としており、妻は皮膚科学会に所属していますので、それぞれの得意分野を生かした診療をおこなっています。
また、クリニックでの診療以外では、日本獣医師会、横浜市獣医師会や所属している麻酔外科学会、免疫アレルギー学会などの集まりに積極的に参加し、勉強を重ね、新しい情報を診療に取り込むように日々努めています。

普段からよく観察し、少しの体調変化も見落とさずに

飼い主さんへは、「いつもと何がどう違い、いつからおかしいのか」を見逃さないようにして欲しい、と日頃からお伝えしています。普段から十分に観察していないと、少しの違いに気がつくことはできません。人間の病気でも言えることですが、元気かどうかだけではなく、食餌の摂り方や尿の量や色、便の状態、体臭など、体調の変化に早い段階で気づくことが大切です。しかしながら、動物からうつる感染症のリスクがありますので、過度なスキンシップは公衆衛生上よろしくありません。また、ハムスターなどの小動物を飼われている飼い主さんは、「お散歩」と称して部屋の中に放しますが、そのために事故になってしまうことが多くあります。飼い主さんが気付かずに踏んでしまい骨折させてしまったり、部屋の隅に入って埃を食べてしまうこともありますので、ペットを大切に思うのであれば、多少のスキンシップは別として、ケージの外から見て楽しむようにして欲しいと思います。

飼い主さんと動物のことを配慮した空間で快適に過ごして欲しい

私はもともと学生時代にスポーツをしていたので地声が大きいのですが、動物をなるべく脅かさないように、特に初診の際はなるべくトーンを落として優しく声をかけるようにしています。飼い主さんと接する中で特別気を付けていることはありませんが、インフォームドコンセント(飼い主さんが説明を受け納得した上で診療に同意すること)を大切にしており、動物の病状によってはお話に長く時間をいただくこともあります。そこで動物と飼い主さんにとって過ごしやすい環境になるよう、院内の内装はこだわりを持って設計しました。待合室は落ち着く色調で、壁の一部に床材を使用することで、万が一待合室で排尿してしまってもお掃除がしやすくなっています。飼い主さん同士が交流できるように待合室を広くし、診察室は診察する動物の取り扱いやすさを重視したコンパクトな造りになっています。出入り口は一ヶ所ですが、入り口を入ると左右に待合用のベンチがあり、一つの空間でもなるべく犬と猫でスペースを分けてお待ちいただけるよう配慮しました。地域にお住いの飼い主さんが安心してかかれる動物病院として、これからも皆様に愛されるクリニックでありたいと思います。

これから受診される飼い主さんへ

「こんなことで病院にかかったら、笑われてしまうのでは?怒られてしまうのでは?」と気にされて受診を躊躇される飼い主さんがいらっしゃいますが、遠慮される必要は全くありません。診察の結果、たとえ病気じゃなかったとしても、何だったのか理由が分かることに越したことはありませんので、安心してお越しいただきたいと思っています。少しでも異常を感じたらお気軽にご相談ください。

※上記記事は2020年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

上星川動物病院 藤井 敏 院長

上星川動物病院藤井 敏 院長 SATOSHI FUJII

上星川動物病院 藤井 敏 院長 SATOSHI FUJII

  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味・特技: ダイビング、柔道(黒帯)
  • 好きな本・作家: ノンフィクション、吉川英治の作品など時代小説
  • 好きな映画: 『男はつらいよ』シリーズ
  • 好きな言葉: 「なぜベストを尽くさないのか」
  • 好きな音楽・アーティスト: 邦楽、矢沢永吉とサザンオールスターズが好きです。
  • 好きな場所: 夏の北海道

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