保土ケ谷橋クリニック 院長 棚橋 達一郎 TATSUICHIRO TANAHASHI
慶應義塾大学医学部卒業。消化器外科医として経験を積むほか、国立がん研究センター研究所にて「がん悪液質」の研究に従事。20年あまりにわたってキャリアを重ね『保土ヶ谷橋クリニック』を開業。(JR「保土ヶ谷駅」より徒歩7分)
慶應義塾大学医学部卒業。消化器外科医として経験を積むほか、国立がん研究センター研究所にて「がん悪液質」の研究に従事。20年あまりにわたってキャリアを重ね『保土ヶ谷橋クリニック』を開業。(JR「保土ヶ谷駅」より徒歩7分)
父が産婦人科の医師をしていたものですから、私は自宅兼診療所のような環境に育ちました。とはいえ私には医師になる気持ちはなく、いったんは理工系の学部に通い始めたものの、父から「行くな」と言われてしまいまして(笑)。やむなく大学を休学して医学部受験の準備をし、あらためて慶應義塾大学の医学部に入学しました。
大学卒業後は外科の中でも消化器を専門にし、母校の大学や関連病院で研鑽を積みました。クリニックを開業するまでの20年ほどの間には、食道がんなどの手術を担当するほか、がんの合併症について研究していた時期もありました。
9年近く在籍した大和市立病院を退いた後、『保土ヶ谷橋クリニック』を開設したのは2000年の2月でした。クリニックを開く際には候補地をいろいろと探して回り、親しい友人に方角がよいかどうかを見てもらったりして(笑)。最終的にご縁があったのが駐車場もあるこちらの場所でした。振り返ればもう20年以上、町の移り変わりを見守りながら今日まで診療を続けてきたという感じです。
来院される患者さんはご高齢の方を中心に、若い世代の方も足を運んでくださっています。患者さんの中には開業当初からお付き合いが続く方がいらしたり、勤続20年になるスタッフが今も頑張ってくれたり。地域に暮らすみなさまの健康を支えるために、地域に根ざした医療を行ってきました。
ご高齢の患者さんが多いこともあり、日々の診療の中心は高血圧や糖尿病をはじめとした慢性疾患ということになるでしょうか。このほか、かぜの症状であったり下痢や腹痛といったお腹の症状であったり、日常的な病気を幅広く診療しています。
私たちのような町のクリニックは、たとえ自分の専門外であっても患者さんの訴えに丁寧に耳を傾け、適切な道案内をして差し上げることも役割の一つです。つい先日も「左手のしびれ」をご相談いただいた患者さんを検査設備の整った病院へご紹介したところ、脳梗塞が見つかったという事例がありました。医師とはいえ人間ですから絶対ということはありませんけれど、当院を頼りにしてくださる患者さんのためにも、見落としのない診察を心がけたいと思っています。
患者さんを診察室に迎え入れるとき、私は必ず扉を開けて患者さんにお声かけするようにしています。これは開業当初から20年あまり続けているルーティンともいえるもので、何気ない動作の中にある小さな変化を見逃さないためでもあります。
たとえば血圧に問題がある患者さんの場合は血圧を測って何事もないことを確認し、お薬を出して終わりとなることが一般的です。しかし患者さんをお呼びしたとき、何らかのサインをキャッチできれば、病気の芽を摘み取ることができるかもしれません。「どうも膝が痛そうだ」「どことなく動きがぎこちない」といった小さな気付きを大切にし、大きな病気につながる予兆を見逃さないようにしています。
最近はオンライン診療など「デジタル化」が進んでいますけれど、私はやはり「アナログ」に勝るものはないと思っています。人と人、顔を合わせるからこそ気付けることがあり、信頼が育まれると思うからです。
最近は慢性腎臓病を患う方が増えていますが、これは摂取水分量が足りないことが一つの要因です。特に夏場はこまめに水分を取ることを心がけ、「普段と違うな」と感じるときは
早めの受診をおすすめしたいですね。「何か違う」と感じるのは体が何らかのサインを送っているのであり、放置していては何が起こるか分かりません。たとえ無駄足だったとしても、診察して問題ないことがはっきりすれば安心してお帰りいただけるでしょう。もちろん当院でなくても構いませんので、積極的に医療機関を頼っていただきたいと思います。
※上記記事は2022年7月に取材したものです。
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