しおせ犬猫病院 塩瀬 将之 院長 MASAYUKI SHIOSE
神奈川県生まれ。子ども時代をシンガポール、その後は京都、大阪、奈良で過ごす。獣医大学卒業後、都内及び埼玉の動物病院で臨床経験を積む。東京都、埼玉県での動物病院勤務を経て、2009年「しおせ動物病院」を開院。
神奈川県生まれ。子ども時代をシンガポール、その後は京都、大阪、奈良で過ごす。獣医大学卒業後、都内及び埼玉の動物病院で臨床経験を積む。東京都、埼玉県での動物病院勤務を経て、2009年「しおせ動物病院」を開院。
シンガポールで過ごした子供時代、同年代よりも年下の子と遊ぶことが多かったんです。よくおもちゃなどを修理してあげたりして、とても喜ばれていました。もともと手先が器用だったこともあって、家でも掃除機が壊れたらパーツを分解して直すなど、何か壊れたものを修復することが得意でした。人に喜んでもらえる充実感が獣医師の原点かもしれません。
中高一貫の大学付属の高校に通っていたのですが、最初はなんとなく推薦で大学に進学するものだと思っていました。しかし実際には、希望者全員の推薦枠はなく、また大学に進むとしたら、その大学にある学部からの選択肢に限られることとなり、その中から自分の将来を決めること自体にピンとこず、思い切って外部受験を選ぶことにしました。どうせやるなら同級生たちを驚かせる、見返すようなことをやろうと思い、最終的には二浪して獣医の大学に入学しました。初代で獣医師を目指すのは異色の経歴かもしれませんね(笑)。
大学卒業後、最初に勤めたのは小規模な動物病院でした。将来的にはゆっくり診察し、目の行き届く小さな病院を開業したいと思っていたこともあり、ここでの経験は今にとても活きていると思います。次に大きな動物病院で勤めました。尊敬する院長との出会いもあり、貴重な経験を積み重ねてきた一方、大きな病院のメリット・デメリットなども見えてきたので、自分のしたいことの方向性がより明瞭になったように感じます。そんなタイミングに、祖父が住んでいた横浜の母親の実家を、私の開業時期と合わせて改築し、1階を病院にしました。一緒に暮らしている犬猫にあえて絞り、犬猫専門の診療をおこなう動物病院として開業しました。
動物は知識だけの理解や、動物病院で接するだけでは分からないことも多く、一緒に暮らしているから発見できること、理解が繋がり深まることがあるので、自分で飼っている動物以外を診療しないと決め「しおせ犬猫病院」と医院名も犬猫と正直に明記しました。実際に動物と一緒に暮らすと、教科書には載ってないことがたくさん分かります。例えば、犬猫は胃の調子が悪いと、外の草を食べて胃を刺激させて、胃液を吐きスッキリさせることがありますよね。室内に草がない環境だと、床に落ちている自分の毛を食べてその代用をしていたりします。そういうことひとつひとつ、一緒に過ごして観察し経過を追って分かることが多いですからね。私は自分が飼ったことがない動物を診察できるとは言いたくありません。もし診察するとしたら、犬猫と同等の知識や経験を培ってからでないといけないと思うからです。
当院では最新の医療機器を導入しています。超音波診断装置をはじめ、小動物専用のレントゲン、内臓の状態を調べる血液化学検査器、自動血球計算装置、内分泌検査器など取り揃えています。儲かったら高級車に乗る方も多いですが(笑)、私はそれよりも院内の環境設備をより良いものにしたいと思う方ですね。よくある「開業以来、値上げしていません!」みたいなラーメン屋さんがあるじゃないですか。そういうのを目指しています。実際には色々値上がりしているご時世ですので、少しはしないと厳しいから考えないといけないけれど、悩んじゃいますね(笑)。獣医である前に動物を愛する人間であり、自分の愛犬だったどうしたいかな、という視点を常に考えながら取り組んでいます。
私は飼い主さんに金銭面などの負担がかかる検査や簡単に手術を勧めることはしたくないんです。検査のために開腹することもありますから。まず自分のペットであればどう対応して欲しいかを考え、飼い主さんの気持ちに寄り添い、検査や治療の選択肢をお伝えすることを大事にしています。最近では飼い主さんがご自身の考えを持って、はっきりお伝えしてくださる方が多いので、ご意向をしっかりお聴きしています。動物病院は開業当時よりずいぶん増えました。飼い主の意識や知識も大きく向上しています。飼い主さん自ら疑問を持って、こちらに訪れる方や再度来られるようになる方も結構いらっしゃいますね。スタッフを増やし、代診の先生にお願いすれば、効率を上げられるのですが、私に診てほしいという飼い主さんのお声を多く頂いているので、自分の目が届くよう一人でやってきました。元々ご近所から通われていた飼い主さんが、お引越しなどで遠くなってもわざわざ「塩瀬先生に診てもらいたい」と遠方から来られる方も多くいらっしゃり、大変嬉しく思っています。これからも犬猫や飼い主さんにとって何が一番大切かを常に考え、誠実に向き合って診療を続けていきたいです。
※上記記事は2024年1月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
※新規登録またはログインすることにより、保土ケ谷区.jpの利用規約、およびプライバシーポリシーに同意したことになります。