あざみ野どうぶつ医療センター 渡辺 英一郎 院長 EIICHIROU WATANABE
大学卒業後、東京、山梨、仙台などの動物病院で10年間勤務医として様々な症例に触れ経験を積む。2019年、あざみ野駅近くにあざみ野どうぶつ医療センターを開院。
大学卒業後、東京、山梨、仙台などの動物病院で10年間勤務医として様々な症例に触れ経験を積む。2019年、あざみ野駅近くにあざみ野どうぶつ医療センターを開院。
2019年、都筑区見花山「夕やけの丘動物病院」の分院として、あざみ野どうぶつ医療センターを立ち上げました。あざみ野駅とたまプラーザ駅の中間に位置する当院は、一般内科や外科をはじめ、専門外来、検診、予防接種、トリミング、ペットホテルに対応しております。本院設立から18年が経ち、都筑区見花山でも地域の飼い主さんや犬猫に頼られる動物病院として数多くの診療に携わり、この度分院を開院致しました。開院にあたり、本院ですでに導入してる専門外来の強化、チーム医療及び医療連携の強化をおこない、より飼い主さんにご利用頂きやすい体制を作り、本院と連動しながらバランスをとって運営をしていきたいと思っております。
夕やけの丘動物病院は、「夕やけ橋」の地名にちなみ、地域のランドマーク的な、動物医療の灯台になれるようにこれまで切磋琢磨してきました。あざみ野どうぶつ医療センターは、本院のコンセプトに基づき、「海」をテーマに、イメージカラーを変え、落ち着いた優しいブルーの色調をベースに院内をデザインしています。道路に面する部分は、外から見て何をしているところか一目で分かるようにガラス張りで、風通しのよさを表現し、入り口から待合室への扉は、犬用と猫用に分けています。猫は室内で飼育されることがほとんどで、屋外の環境や初めて見るものに慣れていないということもあり、不安・緊張・興奮から正しい診察ができないことが多く、犬とも顔を合わせないように工夫をしました。
また、最新の超音波、デジタルレントゲンなどの医療機器だけでなく、重い症例の犬猫や面会用として使用できるプライベートルーム、腹腔鏡手術に対応したオペ室、麻酔機器、温湿度や酸素濃度を個室ごとに調整できる動物用のICU、猫の特性を網羅したペットホテル用のゲージなど設備面にもこだわっています。完全予約制を導入したことで、これまで夕方に集中しがちだった診療を分散させ、待ち時間を減らし効率よく診療をおこなえるようになりました。
本院の夕やけの丘動物病院同様に、当院でも「HAPPY」をモットーにしています。犬猫と飼い主さんをハッピーにすることが我々の仕事であり、当たり前なことですがとても大変なことです。全獣医師やスタッフが当院で働くことに喜びややりがいを感じ、心から満たされているからこそ、犬猫や飼い主さんをハッピーにすることができますので、仕事もプライベートも全力で頑張り、両立することで、素晴らしいチーム医療ができます。
獣医師やスタッフが増えたことで、それぞれの得意分野がある程度確立し、チームとしてのレベルが上がりました。どんな診療においても、チームで診て、それぞれの意見を出し合い、最善の治療をおこなっていきたいと思っています。
本院と分院が分け隔てなくスムーズに情報共有し、今まで以上のパフォーマンスを発揮するための手段として両病院に対応した電子カルテを導入しました。都筑区と青葉区の隣接する2つのエリアの動物病院の休診日をずらすことで、緊急時にも安心してカルテのある病院にかかれることが飼い主さんにとって最大のメリットと言えます。
分院の設立に伴い、これまで以上に高度な医療を目指すというよりは、1次医療をおこなう動物病院としてのレベルを上げることを目標に、新たに麻酔器や腹腔鏡手術に対応できる機器と設備を導入しました。腹腔鏡手術は、避妊手術やお腹の手術に最適で、傷が小さく開腹手術より身体への負担が少ない、開腹手術のように空気に触れないため術後の癒着が少ない、痛みが感じにくい、麻酔の回復も早い、尿漏れなど術後の後遺症が少ない、などのメリットが挙げられます。
腹腔鏡手術を動物の医療に用いる病院はまだ少なく、特別なトレーニングを必要するので、誰にでもできるというものではありませんが、カメラを通じた手術となりますで、画像として残せる上、複数で確認をしながら進められるというメリットもあります。
腹腔鏡手術には麻酔は欠かせませんので、麻酔の専門医だけでなく、症状に合わせて腫瘍科や眼科に長けた医師を招き、共に診療をおこなっています。
また、当院では、看護資格を持っているトリマーがトリミングをおこないますので、皮膚病用の薬用シャンプーやボックスドライヤーの使用など、お肌に合わせたオーダーメイドが可能です。
飼い主さんと対話をしながら、ご意向に沿った診療を心がけています。専門家としてアドバイスをすることはありますが、犬猫の家族である飼い主さんに最終的な判断を仰ぎ、自分が飼い主だったらどうするか常に自問をしながら、飼い主さんと向き合っています。特に犬猫の看取りは、飼い主さんが治療に対して後悔を残さないことが大切です。飼い主さんのご年齢、家族構成、ご家族との関係性など生活背景は様々で、どんな治療を求めているかは千差万別、動物の診療だけでは獣医師として自己満足にしかならず、飼い主さんへの心のケアが良い看取りに繋がり、次の新しい犬猫との出会いを近づけてくれます。
犬猫が亡くなることは悲しいことではありますが、最後の辛い気持ちだけが心に残り、一緒に過ごした時間がどれだけ幸せだったかを忘れてしまわぬよう、今何が起こっているかをしっかりお伝えし、犬猫を看取る心構えについてもお話を重ねています。
何よりも病気を予防することが一番大事なことで、そのために健康診断や検診は欠かせません。症状がないと実感が湧かないのは人間も同じで、ガンはいつできるかわからず、もうすでにできている可能性は十分にあります。もう少し早く分かってれいば…という症例は過去に沢山経験し、とてももったいないことだと思います。ポリシーがあって検査をやらないというケースもありますが、後悔はして欲しくないので、いかに早く見つけられるかが鍵となり、場合によっては病気を治せなくても、最後は「美味しいものを食べさせたい」「苦痛を与えたくない」という症状を緩和してあげることも治療の1つで、飼い主さんの心の持ちようが大事です。
人間と違って1年で5歳年を取るので、歳をとったら1年に1回の検診を、大型犬は小型犬より寿命が短いので半年に1回の検診がベストです。
当院は「どうぶつ医療センター」という名前がついていますが決して敷居の高い場所ではなく、常に動物と飼い主さんに寄り添い、ちょっとしたことでも気軽に来れる地域に根付いた診療を心がけています。普段から犬猫に慣れ親しんでもらいたいので、お子様との散歩のついでに足を運んで頂けると嬉しいです。
※上記記事は2019年7月に取材したものです。
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