ブーランジェリー マナベ(BOULANGERIE MANABE) 真鍋 清久 オーナー KIYOHISA MANABE
幼い頃、手作りのパンを焼いてくれていた母の影響でパン職人の道に。2011年に『 ブーランジェリー マナベ』をオープン(相鉄線「天王町駅」より徒歩5分)。
幼い頃、手作りのパンを焼いてくれていた母の影響でパン職人の道に。2011年に『 ブーランジェリー マナベ』をオープン(相鉄線「天王町駅」より徒歩5分)。
幼い頃、母親が手作りのクッキーやパンを作ってくれました。作るのを手伝ったこともあって、それで「食」に興味を持ったのかもしれません。その一方、今でも車や機械が好きなのは、父の会社が機械を扱っていたからでしょうか。たまに父の工場に遊びに行っていたのですが、油臭い匂いがなんとも心地よかったことを覚えています。結果、「食」の世界をとったわけですけども、意外に人生は“たまたま”なのかもしれませんね。そろそろ「本腰を入れよう」と考えていた時、たまたまパン屋さんが募集をしていて、パン職人の道を歩みだしたというわけです。
2011年に『ブーランジェリー マナベ』はオープンしました。駅前の人が集まるところで、とはまったく考えたことがありませんでした。最初はお客さんは限られるかもしれないけども、本当にパンが好きな人に通ってもらえる店にしたいと考えたのです。ちゃんと作り続けていけば、徐々にうちのパンを気に入ってくれる人が増えてくると信じていたんですね。
そもそも「美味しい」ってなんでしょうか? パンに限って言えば、小麦があり、酵母があり、塩があって、それだけを発酵させて、どれだけ旨みが出せるか。粉の選び方や発酵の温度など、細部に気を使っていかないと旨味は出ないのです。今、世間では白くてふわっとして、甘いパンが流行っていますよね。それはそれで楽しみのパンとしていいと思うんです。ですが、そうしたパンを評価の基準にすると、パンがパンではなくなってしまう気もするんですね。噛みしめるほどにじわっと味が出るものを美味しいと思える。子供ながらにそういう感覚を持ってもらいたいと思いますし、うちでは「これがパンだよ」と自信を持って言えるものをお客様に召し上がっていただきたいと思っています。
小麦粉は、ミネラル(灰分(かいぶん))成分の高い粉を使っています。真っ白い粉は味の要素に乏しい面がありますし、粉だけでもきちんと栄養素を摂れるものを使っています。そしてお塩は、ベトナムの「カンホア」。塩の作り方は、今も昔もフランスが最高峰と言われています。そのフランスのお塩の作り方を受け継いだカンホアのお塩は、しょっぱいだけではない、ミネラル分を豊富に含んだ豊かな味をパンにもたらしてくれます。それからお砂糖ですが、鹿児島の喜界島のお砂糖を中心に使っています。茶色みがかったお砂糖で、白いお砂糖に比べ、優しく、体にもいいものです。楽しみのパンに必要な甘さも、ちゃんとしたお砂糖を使って出しています。
お客様にはチーズを生地に練りこんだバゲットが一番人気ですね。私からお勧めするとすれば、やはり全粒粉のパンを食べていただきたいと思います。全粒粉で作ったパンは、物理的に膨らみにくいものですから小ぶりなんですが、すごく味わいがあって、私は好んでそれを食べています。当店では全粒粉だけではなく、小麦の外皮、ふすまとも言いますが、それを使ったパンも作っています。ミネラル分が多く含まれ、栄養素が高い上にとても味わい深いパンですので、ぜひ一度召し上がっていただきたいですね。
午後の早い時間で売り切れになってしまうことも多く、皆さまにはご迷惑をおかけしています。ただ、パンというものは、すぐには作れないものなのです。当店では前々日から生地を仕込み、丁寧に工程を経ていきますので、出来上がるまでに2日は掛かる計算になります。ですので、お目当てのパンがありましたら、早めにご予約いただけますと助かります。これからもそれだけで味わい深いと思える、パンらしいパンを作っていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
※上記記事は2022年10月に取材したものです。
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