伊藤 洋一 院長（いとう歯科医院)のインタビュー

1948年に創業した地域の歯医者さん

私がまだ医大生だった頃に歯科医師であった父が病で倒れたことがありました。急遽、先輩の先生と診療を手伝うことになったのですが、その時にわかったのです、歯科の診療は面白いと。「面白い」とは表現が適切ではないかもしれませんが、細かな手技が要求されるところ、治った患者さんの笑顔、それらすべてが自分が求めていることだと感じたんですね。

『いとう歯科医院』は1948年に開院いたしました。当初はこの路地を渡った先に歯科医院があり、ここでは叔父夫婦が美容室を営んでいました。叔父の好意があってこちらに場所を移し、早いものでもう半世紀近くが経とうとしています。

日本先進インプラント医療学会専門医として

私が学生の時分にはインプラント治療は“言葉だけ”の存在でした。大学でも習いませんでしたしね。それで40歳を過ぎてからインプラントを始めたわけですけども、もうのめり込みました。実際、使い心地を考えると義歯やブリッジとは比べ物になりませんし、だからこそ急速に普及していったのだと思います。今でこそインプラントや親知らずの抜歯、歯周外科などの外科系が得意になっていますが、本来の私はとても不器用なんですよ（苦笑）。それでも歯科の技術を習得するために人の2倍、3倍は努力したのではないでしょうか。他に自慢することはありませんが、それだけは自負していいと思っています。

メンテナンスが最も大切

インプラント治療も、その後が大事です。定期的に見ていかないと、せっかく入れたインプラントも台無しになってしまいます。

当院では30年以上前からメンテナンスを重要視しています。患者さんには定期的にお越しいただき、歯科衛生士による歯石除去やクリーニングをおこない、衛生士が問題を発見すると私ば呼ばれ、必要な措置をおこなっていくのです。今では衛生士の患者さんのほうが私よりも多いのではないでしょうか。

休日診療などに出向きますと、我慢できない痛みに悩まされている患者さんを拝見することになります。そうした患者さんと当院の患者さんのお口を比べると、正直なところ、あまりの違いに愕然としてしまうのです。定期的に専門家の手が入ることでお口の健康は維持できます。できれば1ヶ月に1回、難しいようであれば3ヶ月に1回でも、半年に1回でも大丈夫です。定期的に歯科医院を訪れることを習慣にしていただければと思います。

一口腔単位の診療を心がけて

私が医院を父より継いで以来、痛いところだけの治療で終わるのではなく、一口腔単位の診療を心がけてきました。ここでは、問題のある箇所だけではなく、歯茎の色や歯並び、お口の清潔感や汚れといった全体を見ていきます。その上で治療方針やメンテナンスの間隔を決めていくわけですが、患者さんにも色々とご希望や都合があると思うのです。例えばメンテナンスですと1ヶ月に1回が理想ですけども、遠方から足を運ばれてる方もおられますから、その場合は3ヶ月に1回でも、半年に1回でも構いません。その中で私たちと患者さんが一緒になって歯を守っていけたらと思っています。

地域の皆さんへメッセージ

『いとう歯科医院』では、使用する器具の滅菌・消毒、および院内の感染対策に万全を期しています。昭和大学で細菌学の教室に在籍していたこともあり、滅菌・消毒には、新型コロナの流行以前からうるさいわけです（苦笑）。スタッフには負担をかけているかもしれませんが、滅菌・消毒ができてないことには、それはもう医療ではありません。ですから、どうぞ安心して来院いただけたらと思います。

お仕事などでずっと外に出ているという方もいらっしゃるかと思いますが、歯ブラシをカバンの中に入れておいて、お昼を食べたら必ず手入れをする、ということを習慣にしてみてください。しないとするでは、のちのち大きな違いが出てきます。そして何かお口のことで気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談を。地域に根付いた歯科医院として、できる限りのことをさせていただきます。